ティンカーベル

おとなになって一番大変なのは泣くのを我慢すること。そのくせ、涙もろさは増していくし、泣き出したいようなできごとは増えていく。出てこれなかった涙ってこころの下の方に溜まっていって、見えないくらい下の方にいってしまえばもう笑ったりできるんだけど、知らない間にすごい量になってたりして、ちょっと揺れただけで零れてしまうわけ。そうなると、もう何に泣いているのかわからないし、全部零して無くなってしまうまで止まらない。それってすごく困る、ひとりのときにならないから。だからそうなる前に、今流れてる涙が何処から来たのかちゃんと解ってその都度落としてこれたらいいなと思うんだ。
何も言わなくても傍に居てくれたり、手繋いでくれたり、抱き締めてくれる人がいたらいいなと思うんだ。
でもほんとはおとなになんかならないで好き勝手に泣けたらいいなと思うんだ。

この空のどこかにネバーランドを見つけるその日まで、私は背伸びしておとなを演っていこうと思うんだ。


あしたはわたしのうまれた日